2010年6月4日金曜日

教員免許に「上級」新設

教員免許に「上級」新設も 文科相、中教審に見直し諮問

 川端達夫文部科学相は3日、教員養成や免許制度のあり方を総合的に見直すよう、中央教育審議会に諮問した。文科省の政務三役は、通常の教員免許に加え、学校現場で教員経験を積んだ後に大学院で学んで得られる上級免許を新設し、教員免許を「2ランク制」にすることを念頭に置いている。年内にも中教審の報告を得た上で、早ければ来年の通常国会に関係法の改正案を提出する考えだ。

 民主党内には、通常の教員免許とは別に、8年程度教壇に立った後、各地の教職大学院で単位を取って学校経営などの専門性を身につけた教員に「専門免許状」を与えるという案がある。義務化はしないが、一定の専門性を備えていることの「証明」とし、校長や教頭へ登用する際の判断材料にも活用するという考え方で、中教審はこの案をベースに検討する方向だ。

 ただし、現場の教員には「教師は子どもと向き合うのが本分で、免許の種類でランク付けするのは誤りだ」という批判もあり、議論になるとみられる。

 教員養成をめぐり、民主党は昨年夏の総選挙のマニフェストで、学部4年と大学院修士課程2年を合わせた「6年制」を打ち出し、教員免許の取得に修士修了まで義務づけることを検討していた。教員の質を向上させるには、教育実習の期間を1年程度にまで延長し、よりていねいに教育すべきだという考え方だったが、その後「6年制では学費負担が重くなり、教員志望者が激減する」という指摘が強まっている。

 文科省の政務三役は、▽教員養成にかける時間を増やすことは必要だが、大学院で学ぶ期間は2年にはこだわらない▽学費については公的に支援する――という考えを示しており、中教審はくわしい制度設計を検討する考えだ。(青池学)

(asahi.com, 朝日新聞社 - 2010年6月3日15時1分)

http://www.asahi.com/national/update/0603/TKY201006030226.html
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教員免許制度がたびたび変わる。
去年夏の衆院選前の自民党政権下では、教員免許更新制が導入され物議を醸した。
そうかと思えば、民主党政権になり、教員免許更新制が廃止される見通しとなった。

教職課程を履修して教員免許を取得しようとしている私には重要な問題である。
教員の質向上のためだけを目的として、教員になるための学習期間を延ばそうとするのはいかがなものか。
現在の教育職員免許法に基づく教職課程の科目はかなり多くあり、教職課程履修者にとって少なからず負担となっていることは事実であろう。
教育学部等の学部であれば単位が算入されるが、その他教育系でない学部では、単位が算入されないため、約60単位近い科目を履修することとなる。

大学在学中に教育系の専門学部でなくても教員免許を取得できるという制度は素晴らしいものであろうが、その制度の中身は検討に値する。
政府の主導のみによって制度を立案していくのではなく、現場の教職員等、実際に教職に携わる人々の意見をできるだけ取り入れて欲しい。

何も教員免許に限ったことではないが・・・。